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【6/19水】6年・弁護士によるいじめ予防出張授業がありました。

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6月19日(水)、6年生の2クラスで、弁護士の先生による「いじめ予防出張授業」が実施されました。   子どもたちは「いじめは決してゆるされないこと、あってはいけないこと」と知っています。でも、時々報道にもあるように、いじめはなくなっていないし、いつどこで起こってもおかしくないことも、大人も子どももわかっています。我々教員は、いじめが起こらないよう、いじめ防止の授業をしたり、普段の人間関係の情報をキャッチしようとしたりしています。今回の授業は、東京弁護士会から丸田憲和先生を講師にお招きしました。弁護士の先生ならではの、人権の視点からいじめを考える授業が行われました。   授業の始まりは、自己紹介から。弁護士バッチを子どもたちに回してくださいました。みんな、興味深くながめていました。   「人権って何ですか?」と丸田先生は問いかけました。さすが6年生、よく理解していました。丸田先生は、 「人権とは、人間が生まれながらにしてもっていて、人間らしく生きる権利です」 と教えてくれました。人権は、安心・自信・自由を保障しています。でも、自分の周りには、他の人もいるので、好き勝手に生きていいわけではありません。「では人権は、どのように守るのでしょうか。」と丸田先生は問いかけます。 そして、「人権を守ることとは、みなさん一人一人が、自分の身近な周りの人たちを大切にすることなのです。」と教えてくれました。そして、 「だからいじめは、人権を深くかかわっているのです。」 とおっしゃいました。 「いじめって、どんなこと?」丸田先生は子どもたちに問います。そして、 「今まで生きてきた中で、いじめを見たことや聞いたことが1度もない、という人はいますか?」という問いには、1組・2組どちらも0人でした。そして、「いじめられる人って悪いのかな?悪くないのかな? 聞きたいな。 3択で質問するから、手を挙げてくださいね。その人が ・悪い ・悪くない ・場合によっては悪い の3択です。」と授業は展開しました。これも、どちらのクラスも同じ結果になりました。 いじめられた人は ・悪い→0人 ・悪くない→1人 ・場合によっては悪い→20人(21人) ここでも、意見が飛び交います。「でもさ、…。」「やっぱり「悪くない」に移動してもいいですか?」などなど。 「なるほど。では大勢の子が手を挙げた、「場合によっては悪い」の人に聞きます。どんな場合によっては、いじめられた人も悪くなるの?」すると、ずらっとまた手が挙がります。「先に意地悪をしていた時もあるかも。」「いやなことをしたことへの、仕返しをされた時とか。」と意見が出ます。丸田先生は、「では、なんでいじめという手段をとってしまうの?」と問うと、またいろいろな意見が出ます。「同じ苦しみを味わわせたいから。」「プラスマイナスゼロにするため?」「嫌だったっていう気持ちをわからせたい。」「無限ループにはなってしまうけど、一時的なストレス発散にはなるから。」…。 丸田先生は問いを続けます。「では、どれくらいいじめるといいの?自分がされて嫌だったことが10だとして、同じ割合の10?それとも、気付かせるだけなら1の割合?それとも、気が済むまでなら、20倍?30倍?…」 丸田先生は、いじめの拡大について指摘します。「「え、あいつそんなひどいことしたの?なんてやつだ。」と関係のない友達が加わっていきます。そしてSNSで拡散されて、もう理由なんてないも同然になってしまうこともあるでしょう。」   子どもたちは、丸田先生と一緒に考えを深めていきます。「いやなことをされたら、いじめで返す。これって効果はあるのかな?」子どもたちは、「いや、効果はないと思います」と言います。丸田先生は、「だよね。効果もないし、より悪化してしまいそうだよね。それに、いじめではない、他の方法があるよね?」子どもたちは、「先生や親、周りの大人に相談する。」「直接やめて、と言う。」など意見が出ました。 丸田先生は語ります。「許されるいじめってあるのかな。たくさんの弁護士で話し合って、私たち弁護士は、こう結論を出しました。」そして、スクリーンには、以下の4つが示されました。 1 許されるいじめは、一切ない! 2 いじめる側の「言い訳」に過ぎない! 3 誰にも「いじめる権利」はない! 4 いじめられて仕方ない子はいない! そして丸田先生は、「皆さんは、自分たちの答えを出してください」とおっしゃいました。   そして、いじめが原因で命を絶った子のエピソードと遺書を読み上げてくれました。「人間一人でいるって、本当に苦しいことなんだよ」という言葉が、胸に刺さりました。   いじめについて考え合った、濃密な45分となりました。たくさんの意見を言ったり、考えたりできた6年生は、とても素晴らしかったです。丸田先生、お忙しい中、本当にありがとうございました。丸田先生は、この日の授業のために事前に来校し、私と6年生担任と90分の情報交換をして、この授業を組み立て、実施してくださいました。準備してくださった6年生担任の岩崎先生・亀石先生、ありがとうございました。   この授業をもとに、7月4日(木)の「品川コミュニティ・スクール・デーでは、いじめ根絶をテーマに、代表委員会の児童と6年生有志・保護者・教員・校区教育協働委員の方々・地域の方々が、グルーピングされ、熟議を行います。その意見は、令和6年度版の「源氏前小学校いじめ根絶宣言」に反映され、代表委員会で話し合いが進められます。また、1月の「市民科授業地区公開講座」では、同じく丸田先生を講師にお招きして、いじめ防止のご講演をいただく予定です。ぜひ、ご参加いただけたらと思います。   この「いじめ予防出張授業」は、品川区ケーブルテレビと広報課の取材が入りました。放映についての詳細は、後日お知らせいたします。   私が目指す学校像は、『「うれしい!楽しい!!大好き!!!」の気持ちがあふれる学校」です。学校生活を通して、教育活動を通して、相手の立場になって考えられる子、思いやりのある子をたくさん育んでいきたいです。そうすれば、いじめを起こさない・ゆるさない・起こっても誰かが助けてくれる・困っている子がいることを大人に教えてくれる、そんな学校の風土ができあがっていくのだと、私は信じています。   校長 坂詰 晃


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